最終更新日:2017/02/07
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 月6
開講学部・学科等 大学院
科目コード 062000500 科目ナンバー
授業名 不正競争防止法講義
英文授業名 Unfair Competition Prevention Law
担当教員 鷹取 政信

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 独占禁止法、商標法、意匠法、著作権法、関税法、弁理士法
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
パリ条約、ドリップス協定
後続関連授業 独占禁止法
教職課程科目
テーマ・キーワード 不正競争、商品等表示、商品形態、営業秘密、品質誤認表示、偽装表示

授業の概要・ねらい  公正で自由な競争社会における公正な競争により市場優位の地位を獲得したものを法はどのように保護協力するのか。その公正な秩序を破壊する不公正な競争行為は何か。どのような行為が不正競争行為と定められ、その要件と効果は、どのようになっているのかを学ぶ。
 さらに、この法律と他の知的財産法との関係はどのようになっているのかを理解し、どのように使えばよいのかを学ぶ。これらから、本法の適用にとっては企業の活動実態を分析し把握し証拠を持って立証するのがいかに大切であるかを修得する。
到達目標 我が国の不正競争防止法の解釈と基礎的な法的理解能力を養い実務的に活用できることを狙いとする。
教科書と準備するもの 教科書

茶園茂樹編「不正競争防止法」有斐閣 2015
参考書 参考書
経産省知的財産政策室編『逐条解説不正競争防止法』(平成23・24年改正版)有斐閣2012年
渋谷達樹著 『不正競争法防止法』発明推進協会 2014年
小野昌延編著『新注解不正競争防止法上下』青林書院 
青山紘一著  『不正競争防止法』第四版 法学書院 2007年
田村善之著 『不正競争法概説』第二版 有斐閣 2004年
工藤莞司著 『不正競争防止法解説と裁判例』改訂版 発明協会 2012年
中山信弘編 『意匠商標不正競争判例百選』有斐閣定 2007年
評価の基準 不正競争防止法の理念と、不正競争の成立要件の基礎的知識を習得し、企業の活動実態に応用できる能力を備えたか授業終了後に出題する課題に解答するレポートの内容と授業貢献度で評価する。
具体的評価方法 毎回課題を提出し、次回に提出したレポートの報告内容で評価すする。
関連リンク 不正競争防止法,知財判決検索
授業評価アンケート
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単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
不正競争防止法の概略について、
 経産省知的財産政策室編作成の資料を活用し、現行法の概略を説明し、俯瞰的に理解するように講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習: 経産省知的財産政策室編作成の資料について、インターネットを利用してアクセスし不正競争防止法の概略と最近の法改正を調べておくこと。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記 キーワード:不正競争防止法
第2回 内容
不正競争行為の総論
 沿革とその体系
 諸外国の不正競争行為取締の始まりから近年に至るまでの沿革を概略的に説明し、そのうえで世界の歴史から体系的な理解を説明する。

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習: 渋谷達樹著『不正競争法防止法』(発明推進協会 2014年),小野昌延編著『新不正競争防止法概説』青林書院等の沿革や体系の記述部分を予習すること。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。 
授業実施特記
第3回 内容
不正競争行為各論(1)
1)一般条項と限定列挙
 一般条項のその意味と機能を説明し、限定列挙主義の違いとその規制方法について講義す 
 る。
2)周知商品等表示混同惹起行為
  趣旨・要件・効果について事例を交えながら講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等)  予習:商標の機能と保護の必要性について、商標法の講義を復習し、そのうえでこれらの事項について予習しておくこと。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。 
授業実施特記  教科書:16頁から38頁
第4回 内容
不正競争行為各論(2)
 著名表示冒用行為
 趣旨・要件・効果について事例を交えながら講義する
 広義の混同と著名商品等表示の侵害、フリーライド、ダイリューション、ポリューションについて1号との違いを理解できるようにする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著名商品等表示侵害事例を最高裁データーベースにアクセスし代表的事例を読んでおくこと。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:40頁~45頁
第5回 内容
不正競争行為各論(3)
  商品形態の模倣品販売等行為
  意義・趣旨・要件・効果について事例を交えて講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:意匠法と商品形態模倣品の保護の異同点について検討しておくこと
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:46頁から58頁
第6回 内容
不正競争行為各論(4)
  営業秘密の不正取得・使用・開示行為の要件、
  営業秘密の成立要件、各不正競争の行為の効果について講義する。
  改正内容についても講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:特許法の保護と不正競争防止法の保護を予習しておくこと
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:62頁~85頁
第7回 内容
不正競争行為各論(5)
技術的制限手段の無効化行為の意義・趣旨・要件・効果について講義する。
  
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作権法で定めている技術的制限保護手段について予習しておくこと。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:88頁~95頁
第8回 内容
不正競争行為各論(6)
ドメイン名の不正取得・使用行為の意義・趣旨・要件・効果について講義する。
 ドメイン名登録制度は民間機関の制度である点をしっかりと理解させた上でどのような行為が不正競争防止法上で規制されるかを講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:本号と1号や2号との関連についても予習しておくこと
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:95頁~103頁
第9回 内容
不正競争行為各論(7)
 商品・役務内容誤認惹起行為と原産地誤認混同行為の2つの分け、夫々について意義・趣旨・要件・効果について講義する。
 不正の目的がない虚偽表示行為についても本号と別建てに規制している点も講義する。
 
 
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:商品品質誤認惹起行為罪と虚偽表示行為罪の異同についても予習すること。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:104頁~111頁
第10回 内容
不正競争行為各論(8)
 信用毀損行為の意義・趣旨・要件・効果について講義する。
 特に特許権侵害や商標権侵害と信用毀損行為との衝突問題についても説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:知的財産法の下での保護権の権利行使の在り方について予習しておくこと。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:112頁~121頁
第11回 内容
不正競争行為各論(9)
 代理人等の商標冒用行為の意義・趣旨・要件・効果について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:外国の著名・周知商標の権利者に無断で正当な理由なく、日本国民がその外国商標を使用するとき、本法2条1項1号・2号の行為にも該当するか検討し予習すること。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:123頁~127頁
第12回 内容
不正競争行為各論(10)
  下記のその他の不正競争行為について講義する。
   1)外国の国旗等の商業上の使用
   2)国際機関の標章の商業上の使用
   3)外国公務員等に対する不正の利益の供与等
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当箇所を読解しておくこと。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:168頁~173頁 
第13回 内容
不正競争行為各論(11) 
 民事的救済:差止請求権、損害賠償請求権とその他の特則について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当箇所を読解しておくこと。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:129頁~149頁
第14回 内容
不正競争行為各論(12)
 営業秘密と民事訴訟手続き、その他の水際措置等について講義する
 
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当箇所を読解しておくこと。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:149頁~155頁
第15回 内容
不正競争防止法上の刑罰
営業秘密侵害罪、
 その他の不正競争行為罪と刑事訴訟について講義する
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当箇所を読解しておくこと。
復習: 授業で分からなかったことや理解できなかったことをまとめておき、次回の授業に解決できるように準備する。
授業実施特記  教科書:158頁~160頁