最終更新日:2017/01/19
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 土3
開講学部・学科等 大学院
科目コード 062000200 科目ナンバー
授業名 実用新案法講義
英文授業名 Utility Model Law
担当教員 飯田 昭夫

授業形態 講義、アクティブ・ラーニング
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
特許法
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 発明、考案、技術、無審査登録、技術評価

授業の概要・ねらい
平成17年4月1日付で改正施行されている実用新案法は、わが国の「ものづくり産業」の発展に欠かせない技術のうち、短期寿命の技術や改良技術の保護及び利用をより容易にし、大企業のみならず中小企業の技術力の向上にも寄与することが期待されている。本講座では、実用新案法の改正の経緯を理解し、且つ特許法と法律面で異なる点を重点的に習得するとともに、実務面での登録実用新案の活用の考え方を実例を参考にしながら講義する予定である。条文解釈は特許実用新案法特論Ⅱで行うので条文解釈は行わない。
到達目標 実用新案制度の特殊性と実用新案権の活用の仕方について、実務で応用できる能力を習得することを目標とする。
教科書と準備するもの 特に指定しない。
参考書 特に指定しない。
特許法に関する書籍。工業所有権法逐条解説。
評価の基準 試験成績と授業態度(ディスカッションへの参加率等)により実用新案制度の活用がどれだけできるか否かで評価する。
具体的評価方法 試験成績70%  ディスカッションの内容30% の合計点を基準にして評価する。
授業評価アンケート
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単位互換
特記 この授業は、EZシステムを活用するため録画し、欠席した者も授業に参加できるようしています。

授業計画
第1回 内容
テーマ:知的財産制度の中での実用新案制度の役割 
知的財産の保護制度の中での実用新案制度の役割を、特許制度や意匠制度の役割との比較で
理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:知的財産保護制度の全般について再確認しておくこと。
復習:次回のディスカッションに参加できるように講義内容を理解する。
授業実施特記 授業内容は録画する
第2回 内容
テーマ:実用新案制度の目的ー特に日本における実用新案制度の歴史的位置づけと役割について。
日本における実用新案制度の歴史的な変革を理解することにより、日本での制度の特殊性、
そのメリットについても理解を深める。講義の中で前回の講義内容について質疑応答の時間を設ける。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:実用新案制度の歴史について自習室にある書籍で勉強しておくこと。
復習:実用新案制度が大きく改変された時期を理解すること。
授業実施特記 前回の内容につきディスカッションタイムを設ける。
第3回 内容
テーマ:考案の発掘から実用新案権取得・活用までの知的創造サイクル
考案の発掘から実用新案権取得・活用までの知的創造サイクル全般的な説明を実例をもとに説明する。実務上の全般的な理解を求める。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:特許制度での知的創造サイクルを再確認しておくこと。
復習:実例を参考にして知識を固める。
授業実施特記
第4回 内容
テーマ:考案の把握について(保護対象の理解)
考案と発明の違い・・外国で保護されるものとの比較も行う。
実用新案権を何故企業が活用するのかを、特許権との比較により理解することを目的とする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:考案に関する判例を調べておくこと。
復習:発明と考案の相違について理解できるようにまとめておく。次回質問する。
授業実施特記
第5回 内容
テーマ:有効な登録実用新案であるための要件
新規性・進歩性について実例で判断する
新規性・進歩性を判断するための前提である「従来技術の把握方法について」について説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:特許法の進歩性と実用新案の進歩性の違いがどこにあるか簡単に調べておくこと。
復習:違いを明確に説明できるようにしておくこと。次回ディスカッションする。
授業実施特記 前回の復習としての質問時間を設ける。
第6回 内容
テーマ:有効な登録実用新案であるための要件2
進歩性について特許要件としての進歩性との違いを再度、例で理解を深める。
例を示す段階でデッスカッションを行う。
次に、先願・拡大先願についての要件について説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:前回の内容の復習をしておき、ディスカッションに参加できるようにしておくこと。
復習:先願・拡大先願の事例を調べてみる。
授業実施特記 進歩性について議論する。
第7回 内容
テーマ:権利の主体  外国人の権利能力
考案者の特定 真の考案者の問題 職務考案  
実用新案登録を受ける権利について理解を深める。  
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:特許法で説明した権利の主体的要件、職務発明につて復習しておくこと。
復習:実用新案登録を受ける権利について、特許を受ける権利と比較して覚えておくこと
授業実施特記
第8回 内容
テーマ:実用新案登録出願1
 実例による理解
出願書類の作成について理解する。
願書・明細書・図面
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:特許出願の様式について復習しておくこと。
復習:特許出願との違いについて整理しておくこと。
授業実施特記
第9回 内容
テーマ:実用新案登録出願2
請求の範囲の記載と図面・要約書について理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:特許出願の場合の請求の範囲の書き方について復習しておくこと。
復習:実用新案登録出願での請求の範囲、図面等の記載を特許出願の場合と比較して整理しておくこと。
授業実施特記
第10回 内容
テーマ:実用新案権1
(権利侵害と権利行使の要件1)
技術評価書の実際の例をもとに技術評価書の役割について理解を深める。
評価書の見方をPCTの場合と比較して理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:実用新案制度の技術評価書について特許法の書籍などで予め予備知識を得ておくこと。
復習:実用新案の技術評価書の活用について整理する。
授業実施特記 技術評価書の内容について、ディスカッションタイムを設ける。
第11回 内容
テーマ:実用新案権Ⅱ
(権利侵害と権利行使の要件2)
被権利侵害物の発見をした場合に権利者が対応すべき事項について理解を深める。
ディスカッションタイムを設け具体的に各自考え能力を高める。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:特許権侵害の場合の対応について復習しておくこと。
復習:特許権侵害の場合との違いについて整理しておくこと。
授業実施特記 ディスカッション中心の参加型授業形式にする。
第12回 内容
テーマ:実用新案権3
実用新案権の評価の考え方と実施権の活用についての知識を習得することを目的とする。

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:特許権での実施権について復習しておくこと。
復習:実用新案権独特の評価の仕方を整理しておくこと。
授業実施特記
第13回 内容
テーマ:無効審判・訴訟について
実用新案制度のおける無効審判・審決取消訴訟について特許制度との比較で理解を深める。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:特許制度における無効審判の役割について復習しておくこと。
復習:実用新案制度のおける登録無効審判の役割を特許制度のそれと比較整理すること。
授業実施特記
第14回 内容
テーマ:実用新案制度の活用
実用新案権の活用についてディスカッションしながら考える。参加型授業を行う。
登録実用新案から特許出願への変更、特許出願から実用新案登録出願への変更、意匠登録出願から実用新案登録出願への変更
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:実用新案の活用の一側面である、出願変更について予め調べておくこと。
復習:中小企業が実用新案を上手に活用する手法を理解すること。
授業実施特記 参加型授業。全員に質問する。
第15回 内容
 まとめを行う
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習として、今までの総復習をしておくこと。
授業実施特記 参加型授業。全員に質問する。