最終更新日:2016/03/06
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)通年 開講時限 水2
開講学部・学科等 大学院
科目コード 061006200 科目ナンバー
授業名 教育法特殊研究講義
英文授業名 Special Study on Education Law
担当教員 片山 等

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 あくまでも受講生と相談のうえで講義内容を決めることとする。
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
日本国憲法、憲法学、行政法、労働法、刑法ほか
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 我が国の公教育を中心とする教育法制についての理解を深める。

授業の概要・ねらい  わが国では1990年代に入り大学審議会(1987年設置)が相次いで答申を出したことで、今日の高等教育の規制緩和と競争の時代を迎えることとなった。いま改めて、学問の自由や教育を受ける権利の保障の観点からの、大学教育の再検討が問われている。
 本講義では、戦前・戦後の大学法制を比較した上で、従来余り研究されてこなかった大学内部の法関係についても検討する(参考、永井=中村編『大学と法』、立花隆『天皇と東大(上)(下)』他)が、その前提として戦前・戦後の教育法制の理解から始めることにする。
到達目標 我が国の教育制度がどのように形成されてきたか、戦後の民主主義的教育改革とはどのようなものであったか、の理解をふかめること。
教科書と準備するもの  米沢広一、憲法と教育15講(4版)、北樹出版、2016年
その他、講義の開始時に受講生と相談する。  
 参考書として、芦部信喜著、憲法(第6版) 岩波書店、日本教育法学会編、教育法の現代的争点 2014 法律文化社、教育判例百選(別冊ジュリスト)、解説教育六法2016年版、その他。
参考書 上記のとおり。 

 
評価の基準 講義への積極的な参加をもとめます。講師とのレポートを巡る積極的なやりとりを期待します。従って、3分の2以上の出席のうえで、平常点50%、レポート50%とする予定です。
具体的評価方法 受講生によるレポートをもとにする、テーマの理解や講師との質問ややりとりを重ねるなかで、どこまで理解がすすんでいるか、を評価する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
  講義の折の板書では、より丁寧に文字を書くように努めた。また、説明に際しては、急ぎすぎないように、明確に説明することを心掛けた。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
 明治憲法と日本国憲法 (1)
  ―憲法制定史―
第16回 内容
 未成年者の人権享有主体性 (1) 成年者と未成年者とでは、法律上どの様に異なるか。
授業時間外における学修(予習・復習等)   参考書で掲げた芦部著、憲法(6版)の該当部分18から34頁)を読み、質問を整理しておくこと。 日本憲法史についての講義の内容について、内容を再確認しておくこと。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(22から30頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。 講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第2回 内容
 明治憲法と日本国憲法 (2)
  ―教育勅語と教育基本法①―
第17回 内容
 未成年者の人権享有主体性 (2)  未成年者の人権享有主体性、
授業時間外における学修(予習・復習等)   米沢著のテキストの該当部分(8から11頁)を読み、質問を整理しておくこと。講義後に、講義の内容を理解できたか、再確認しておくこと。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(30から34頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容について理解できたかを再確認すること。
授業実施特記 授業実施特記
第3回 内容
 明治憲法と日本国憲法 (3)
  ―教育勅語と教育基本法②―
第18回 内容
 生徒の自己決定権 (1)  髪型、服装、生活上の自由?
授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(11から15頁)を読み、質問を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容について理解できたか、再確認しておくこと。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(35から42頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第4回 内容
 明治憲法と日本国憲法 (4)
  ―新・教育基本法―
第19回 内容
 生徒の自己決定権 (2)
授業時間外における学修(予習・復習等)   新(?)・旧の教育基本法を対比して、戦後の教育改革の基本理念がどのように変化したか、変化していないかについて予め考えておくこと。 講義後に、新・旧の教育基本法の変化を理解したうえで、自身の受けてきた教育はどうであったか、振り返ってみること。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(42から50頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第5回 内容
 戦前・戦後の教育法制 (1)  教育勅語を中心に、 第20回 内容
 宗教と公立学校 (1)  信教の自由と政教分離、公立学校の宗教的中立性、
授業時間外における学修(予習・復習等)   我が国の戦前の公教育が有していた長所と短所について整理しておくこと。特に、明治憲法と教育勅語との関係、権利と義務との関係、主権原理の違いが公教育制度に及ぼす影響等々について質問を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容について理解できたかを、再確認しておくこと。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(65から71頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第6回 内容
 戦前・戦後の教育法制 (2) 第21回 内容
 宗教と公立学校 (2)
授業時間外における学修(予習・復習等)   世界史的な帝国主義の段階で、我が国も富国強兵のスローガンの下、軍隊と教育との関係を重視して、軍隊における軍人勅諭と教育勅語とを結び付け、それを明治憲法が束ねた構造を理解すること。 講義後に、講義の内容を理解できたかを、再確認すること。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(71から77頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。 講義後に、講義の内容を理解できたかを差確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第7回 内容
 戦前・戦後の教育法制 (3) 教育基本法を中心に、 第22回 内容
 政治と公立学校 (1)  思想、良心の自由、 表現の自由と公立学校の政治的中立性、
授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(15から21頁)を読み、質問を整理しておくこと。 講義後に、講義の内容について理解できたか、再確認しておくこと。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(78から84頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第8回 内容
 戦前・戦後の教育法制 (4) 第23回 内容
 政治と公立学校 (2)
授業時間外における学修(予習・復習等)   所謂、旭川学力テスト事件最高裁判決を中心に取り上げて、戦後の教育裁判で争われた教育権論争について検討する。日本国憲法と教育基本法との各条文を対比して考える。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認すること。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(85から91頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第9回 内容
 戦前・戦後の教育法制 (5) 「新」教育基本法について、 第24回 内容
 日の丸・君が代と学校 (1)
   ―戦前と戦後―
授業時間外における学修(予習・復習等)   日本という共同体を存続させるための、愛国心や道徳、倫理を公教育の中で位置づける新・教育基本法と戦後教育改革理念とを対比して検討してみると、どの様なことが分かるか、予め各自検討しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを、再確認しておくこと。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(51から56頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認すること。
授業実施特記 授業実施特記
第10回 内容
 日本国憲法上の精神的自由権と教育を受ける権利 (1)
    ―教育を受ける権利の二面性―  自由権と社会権との二面性、
第25回 内容
 日の丸・君が代と学校 (2)
   ―国旗・国歌法以降―
授業時間外における学修(予習・復習等)   教育法上の権利と義務との関係を理解するために、日本国憲法上の権利義務関係を正確に把握することが必要で、そのために憲法学上の基礎的な理解を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(56から64頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第11回 内容
 日本国憲法上の精神的自由権と教育を受ける権利 (2)
    ―教育の自由と学問の自由―
第26回 内容
 日の丸・君が代と学校 (3)
   ―愛国心の強制?―
授業時間外における学修(予習・復習等)   憲法上の学問の自由と教育の自由とを考えるために、憲法上の思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由の理解が不可欠であり、憲法と教育法との関係について整理しておく。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認すること。 授業時間外における学修(予習・復習等)   改めて日本国憲法の保障する精神的自由権にてらして、学校教育における日の丸・君が代の問題を考えてみる。テキストでの該当箇所を再読したうえで、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを各自で(結論を)再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第12回 内容
 教育権論争 (1)
 ―教育を受ける権利と学習権―
第27回 内容
 教育情報の本人開示と公開 (1)
   ―知る権利とプライバシー権―
授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(13から21頁)を読み、教育権と学習権との権利主体について正確に理解すること。 講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認すること。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(92から96頁)を読み、予め疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第13回 内容
 教育権論争 (2)
 ―学習権と教育の自由―
第28回 内容
 教育情報の本人開示と公開 (2)
   ―教育情報の開示、訂正、削除―
授業時間外における学修(予習・復習等)   教育権と学習権との権利構成の違いについて理解し、具体的な裁判であった教科書検定訴訟や旭川学力テスト事件ではどのように考えられたかを整理しておくこと。  講義後に、講義の内容について理解したかを整理しておくこと。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(96から107頁)を読み、疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第14回 内容
 教育権論争 (3)
 ―教育内容決定権とその限界―
第29回 内容
 教科書検定制
授業時間外における学修(予習・復習等)   再度、旭川学力テスト事件最高裁判決の論理をかくにんしておくこと。 講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認すること。 授業時間外における学修(予習・復習等)   教育の自由の見地から改めて教科書検定をめぐる裁判をふりかえってみて、再度疑問点を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。
授業実施特記 授業実施特記
第15回 内容
 教育権論争 (4) 社会権保障の不足と自由権への干渉、
 ―教育論と法律論―
 前期まとめ
第30回 内容
 学校事故の賠償、 いじめ、体罰、柔道事故、スポーッ・部活動における指導?
 後期まとめ
授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストの該当部分(20から21頁)を読み、問題を整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。 授業時間外における学修(予習・復習等)   テキストで言及されている他の教育法上の論点を概説する予定のため、予めどの様な論点があるかについて整理しておくこと。  講義後に、講義の内容を理解できたかを再確認しておくこと。また、秋期、後期の最後の授業時間のため、これまでに学んだ内容で理解不足の点があれば、その点についても質問等をおこなうこと。
授業実施特記 授業実施特記