最終更新日:2017/01/24
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)通年 開講時限 木6
開講学部・学科等 大学院
科目コード 061004000 科目ナンバー
授業名 刑法研究A講義
英文授業名 Study of Criminal Law A
担当教員 滝井 伊佐武

授業形態 講義、演習
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業 刑法研究AⅠ演習
犯罪学研究
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業 刑法研究AⅡ演習
教職課程科目
テーマ・キーワード 日本刑法とドイツ刑法の比較法学的研究、日独刑法学の比較法研究、
刑法、比較法研究、
Strafrecht, Strafgesetze, StR, StGB, Vorlesung, Übung

授業の概要・ねらい 講座のねらい: 刑法学の基本問題について解説し、履修者に検討を求める。

講座の概要: 刑法学の基本問題について理解を深め、各自で問題発見から問題解決に至るために必要な文献調査能力および論理力を養成することを目的とする。
 我が国の法体系においても、刑法は基本的法領域に属しており、刑事法関係の研究を進めるうえでも重要な科目の一つであろう。隣接領域の科目とも関連性が高いため、刑法の基本問題を十分に把握することは重要である。もちろん刑法学のみならず、法学を研究するにあたって刑法学についての基本的理解が必須である。
 我が国の刑法は諸外国の刑法を継受することから始まり、今日もなお諸外国の法制度を参考にして発展しようとしている。とりわけドイツ刑法学の影響は大きい。したがって、自国の刑法学のみではなく、他国の制度を知ることは大切である。本講座では、ドイツ刑法学の文献を参考にしつつ刑法の重要問題を検討する。日本語文献を読むだけではなく、外国文献の読み方も練習する講座としたい。

講座の進め方: 本講座では受講者の関心に合わせてテーマを決定したいと考えている。ただ聴くだけの授業ではなく、全員で検討を進めるゼミナール形式での進行を予定している。なお、履修者数や外国文献の読解力などの状況に応じて、内容および進度を調整することがある。

 ※ manabaを利用して レポート課題の告知・回収等をおこなう。受講生の作成する発表レジュメも manabaを利用して事前配付する。各自でmanabaへの接続方法に習熟しておくこと。
到達目標 刑法学の基本問題についての理解力を身に付けること。ドイツ語文献を理解するための基礎力を養うこと。
修士論文の作成に要する基礎知識を修得すること。
教科書と準備するもの 教科書: 日本刑法の体系書については、特に指定しない。
外国文献については、適宜指示する。

日本法の六法(2017年度版=平成29年度版)は必須である。
参考書 独和法律用語辞典の例として、下記に幾冊か案内する。
山田晟『ドイツ法律用語辞典』大学書林
田沢五郎『独=日=英ビジネス経済法制辞典』郁文堂
田沢五郎『ドイツ政治経済法制辞典』郁文堂
ベルンド・ゲッツェ『独和法律用語辞典』成文堂

ドイツ語圏の法律学を研究する上で必要な基礎的辞典として、下記のものを案内する。
Kirchner: Abkürzungsverzeichnis der Rechtssprache (AZR). de Gruyter.
Creifelds: Rechtswörterbuch. C.H.Beck.
評価の基準 高度職業人として期待される刑法学の基礎知識を修得している。(50%)
刑法学研究の基礎的思考方法を修得している。(50%)
具体的評価方法 平常点で総合的に評価する。
 各自の報告内容(50%)、参加状況(25%)、提出物など(25%)によって評価する。
関連リンク Gesetze im Internet (Bundesministerium der Justiz),beck-online,Max-Planck-Institut für ausländisches und internationales Strafrecht,Bundeskanzleramt RIS (Österreich),manaba 国士舘大学 KLIC
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
履修者の研究課題を勘案して、本講座で扱うテーマを調整します。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンスとオリエンテーション
 研究計画の確認等をおこなう。
テーマ検討1:刑法全体の問題関心
 テーマの告知と指定をする。
第16回 内容
夏期休暇中の研究進捗状況の報告
  各自の研究進捗状況を報告する。
秋期報告分担の調整
テーマの整理
  分担日程等を調整し決定する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]各自が関心を持つ刑法上の論点を摘示できるように用意してくること。
 シラバスを事前に読んでおくこと。
 便覧で修了・学位認定に必要な要件を確認しておくこと。

[復習]各回毎に取り扱った事項について、理解深めるためにそれぞれ復習すること。(以下同じ。なお各回毎に特に別記すべき事項を記す。)
[次回の予習]次回の授業で取り上げる予定の論点・事項については、毎回 予習すべき事項として摘示するから、各自で予習してくること。また、報告予定者が指定されている場合、報告者は報告発表の準備をしてくること。その他の者は、そのテーマについて充分に予習してくること。(以下同じ)
(所要時間 計90分) なお、この所要時間は準備および復習に少なくとも必要な時間である。(以下同じ)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]夏期休暇中の研究進捗状況の報告を準備してくること。
[復習]テーマと論点を考える。指摘された諸点を検討する。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 ガイダンス 授業実施特記 研究進捗状況報告
第2回 内容
テーマ検討2:個別問題
 基礎文献を紹介する。
報告者調整
 報告日程を調整し決定する。
第17回 内容
刑法学の基本問題(概括的検討3):各自の関心に合わせた検討
 自説からの批判的考察
  文献を批判的に読む訓練をする。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]あらかじめ指示されたテーマについて、各自で調べてくること。
[報告の準備]本講座の授業計画に示した項目は、それぞれの授業回で特に重点的に指導する予定の要目である。各授業回に掲記されている諸項目のすべてが、研究および論文作成にあたって必要な観点であるから、当該回に記入されている項目のみではなく毎回の授業時にそれらのポイントに対しても相応の配慮をしつつ予習・準備する姿勢が望まれる。
[復習]基礎文献を調査する際の注意点をまとめる。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]あらかじめ指定されたテーマについて、自説から検討してくること。
[復習]主張-批判-反論の構図を模式的にまとめる。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第3回 内容
刑法学の基本問題(概括的検討1):問題の整理
 刑法と体系的思考
  履修者の関心に合わせて問題を整理する。
  論点の体系的位置づけを確認する。
第18回 内容
刑法学の基本問題(概括的検討4):現代的問題
 近時学説の調査
  関連文献を調査して報告する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]体系的地位の把握について調査してくること。
[復習]論点の体系的地位についてまとめる。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]指定テーマについて近時の見解を調べてくること。
[復習]関連文献のリストを作成する。関連文献の収集を行なう。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第4回 内容
刑法学の基本問題(概括的検討2):論点の整理
 論点抽出とアプローチ
  論点に関する学説・判例の概要を検討する。
第19回 内容
文献講読(発展)1:基礎力の確認
 文献における問題提起の確認
  問題設定・問題提起を確認する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]学説・判例の対立について調査してくること。
[復習]論点に関する学説・判例を整理する。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]指定された文献の問題提起を読み取ってくること。
[復習]問題設定に対する指定文献の姿勢を確認する。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第5回 内容
比較法研究の基礎1:日本法の特徴
 基本学説の検討
  各学説の定義内容・論拠・帰結を整理する。
第20回 内容
文献講読(発展)2:基礎力の確立
 論点の整理
  特定論点について主張されている日独(等 各国)の学説を整理する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]指定されたテーマ・論点について、本邦の理論を整理してくること。
[復習]本邦の先行研究として主張された諸学説をまとめる。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]指定文献の論点をめぐって対立する諸学説を調査してくること。
[復習]諸学説の主張内容・対立構造を整理する。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第6回 内容
比較法研究の基礎2:ドイツ法との比較
 比較法的視点の導入(ドイツ[またはドイツ語圏国の]刑法との比較)
  Lehrbuch, Studienbuchなどで論点を確認する。
第21回 内容
文献講読(発展)3:読解力
 文献の主張把握
  指定文献の主張内容(特に論拠)をまとめて、整理する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]指定された文献について、可能なかぎり精読してくること。
[復習]外国文献での扱われ方を確認する。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]指定文献が主張する見解の論拠を読み取り、整理してくること。
[復習]論拠の整合性を検討する。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第7回 内容
文献講読(基本)1:入門
 文献論旨の確認
  文献の著者の主張内容を整理する。
第22回 内容
文献講読(発展)4:論理の把握
 諸見解の比較検討
  対立説・反対説の定義内容・論拠を整理して報告する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]指定された文献の論旨をまとめてくること。
[復習]指定文献の要旨を再確認する。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]指定文献の立場による対立説の否定等、論理展開を見抜いて骨子をまとめてくること。
[復習]対立説に洩れがないか調査する。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第8回 内容
文献講読(基本)2:練習
 諸説の調査
  反対説・対立説の主張内容を整理する。
第23回 内容
文献講読(発展)5:総合検討
 自説との比較検討
  自分の支持する立場から問題解決の手法を提示する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]文献の論旨と対立する学説について調べてくること。
[復習]学説の対立構造をまとめる。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]自説の展開を報告できるように、各自で用意してくること。
[復習]自説の構成が適切であったか再考する。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第9回 内容
文献講読(基本)3:基礎的用語
 専門用語の知見充実
  文献のStichwortを抽出して検討する。
第24回 内容
論点研究1(重要問題の検討):問題発見と提示
 問題発見的思考の導入
  事例との対応関係を発表する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]キーワードを抽出してくること。
[復習]重要概念を整理してまとめる。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]刑法理論において解決すべき問題点がなにかを検討してくること。
[復習]判例・事例について補足調査する。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第10回 内容
文献講読(基本)4:刑法用語の把握と活用
 専門用語の調べ方
  Fachwörter uswの調査方法を解説する。
第25回 内容
論点研究2(重要問題の検討):学説の整理
 諸学説の調査
  先行研究の調査報告をおこなう。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]各種文献・専門用語辞典などを利用して、関連事項を調査してくること。
[復習]基本概念・基礎用語をまとめる。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]従来学説の論拠と限界について調査してくること。
[復習]従来の考え方の問題点をまとめる。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第11回 内容
文献講読(基本)5:内容検討
 自己の見解との比較
  自説の主張・論拠を展開する。
第26回 内容
論点研究3(重要問題の検討):判例の整理
 判例の調査
  判例の調査報告をおこなう。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]文献内の主張と自己の見解を比較して、異同点をまとめてくること。
[復習]主張の対比図を作成する。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]本邦における判例の流れを調査してくること。
[復習]判例の流れをまとめる。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第12回 内容
文献講読(基本)6:要約力の養成
 文献の要約
  購読文献の要旨を作成して、内容を振り返る。
第27回 内容
論点研究4(重要問題の検討):立法例の調査
 制度比較
  比較法的視点から問題を読み解く。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]重要ポイントを抽出して、整理してくること。
[復習]指定文献の論旨を確認する。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]本邦の旧法・法案、外国法について調査してくること。
[復習]資料の追加調査をおこなう。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第13回 内容
春学期で扱った重要問題の再検討1:全体的総括
 体系的観点からのまとめ
  論点の総括をおこなう。
第28回 内容
秋学期で扱った重要問題の再検討1:個別問題の検討
 個別的思考
  各自に課された指定問題について発表する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]個別に指摘されたポイントについて、それぞれ対応策を講じてくること。
[復習]自己の見解を再整理する。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]あらかじめ指定された論点について、私見をまとめてくること。
[復習]私見に対する意見(特に批判)について再検討する。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 授業実施特記
第14回 内容
春学期で扱った重要問題の再検討2:個別的問題の確認
 学説のバリエーション
  論理的に考えうる学説を検討する。
秋学期研究計画の確認
第29回 内容
秋学期で扱った重要問題の再検討2:全体的検討
 体系的思考
  各自に課された指定テーマについて、体系的地位および体系的整合性を検討する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]各自、秋期の研究計画を作成して持参すること。
[復習]ほかにも考えうる選択肢がないかを再考する。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]あらかじめ指定されたテーマについて、体系的整合性を検討してくること。
[復習]体系的思考のもとで自己の論旨を再度まとめる。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 研究計画報告 授業実施特記
第15回 内容
春学期のまとめ
 秋期に検討予定の文献等の告知
  夏期休暇中の研究計画を検討する。
第30回 内容
全体のまとめ
 自説の発表
  学習した成果を発表し、履修者相互の講評を受ける。
今後の研究計画の確認
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]事前に指定された課題について調査してくること。

[復習等]春学期に扱った事項をまとめて、各自で論点を復習すること。
[秋学期へ向けた準備等]夏期休暇用に各自で達成すべき課題と目標を設定し、事前に申告したそれらの課題・目標に取り組むこと。
(所要時間 計90分)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]新規性のある見解を構成してくること。
 次年度の研究計画予定について、まとめてくること。
[復習等]年度を通じて指導された諸点を整理して、理解度・知見修得の到達度を自己評価するとともに、不足箇所を個人研究によって補完すること。
(所要時間 計90分)
授業実施特記 研究計画検討 授業実施特記 研究計画策定・調整