最終更新日:2017/02/22
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 水1
開講学部・学科等 大学院
科目コード 044001800 科目ナンバー
授業名 建築特論
英文授業名 Advanced Theory and Meaning of Architecture
担当教員 国広 ジョージ 健彦

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 歴史、政治、経済、近代、モダニズム、建築運動、グローバリズム、国家

授業の概要・ねらい 「近代建築」の起源はいつなのか?「近代建築」はどのように世界へと浸透していったのだろう?そして、日本へはいつどのようなルートで輸入され、地域建築として根付いていったのだろう?これらの疑問を解明するには、まず近代世界と建築の関係を語らなければならない。そして、世界史において日本、アメリカ、ヨーロッパ建築のなりたちを相互関係として理解する必要がある。産業革命、ヨーロッパと植民地政策、芸術運動と風俗史、封建社会から資本主義社会への変遷、第一次、二次世界大戦、高度経済成長期、冷戦などの様々な歴史的出来事を背景に三地域で発展した近代建築の比較を試みる。
達成目的
① 建築家の思考過程、時代背景、政治、経済環境などが如何に実現する建築に影響を及ぼすかを理解する。
② 社会人となる日を前にして現代社会における建築家職能の実効性を理解する。

本科目は以下の6部から構成され、三地域のそれぞれの近代建築の系譜を解き明かす。
第一部:モダニティの夜明け(ヨーロッパ)1780-1850
第二部:封建社会から資本主義社会へ(ヨーロッパ・アメリカ・日本)1850-1890
第三部:20世紀の夜明け(ヨーロッパ・アメリカ・日本)1890-1914
第四部:モダニズムと世界大戦(ヨーロッパ・アメリカ・日本)1914-1949
第五部:ミッドセンチュリーのアメリカと日本(アメリカ・日本)1950-1970
第六部:モダニズムからポストモダニズムへ(ヨーロッパ・アメリカ・日本)1970-1987


教科書と準備するもの 教科書
※模倣と創造の空間史 初田亨著 彰国社
※図説 近代建築の系譜:日本と西欧の空間表現を読む 大川三雄、初田亨ほか著 彰国社

参考文献
図説 建築の歴史―西洋・日本・近代 西田 雅嗣ほか著 学芸出版社
「時間 空間 建築」ジーグフリード ギディオン著 丸善
評価の基準 ・世界および日本近代史において建築運動がどのように政治、経済に影響されてきたかを説明することができる。
・近代建築史についてその内容を具体的に述べることができる。
具体的評価方法 授業態度 20% ディスカッションへの参加(私語、睡眠厳禁)
中間レポート 20% 出題後2週間後に提出
教科書の写経 60%
到達目標 ・建築が政治、経済システムと密接に関係していることを説明することができる。
・近代におけるモダニズムの生成、および発展過程を理解し説明することができる。
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特記

授業計画
第1回 内容
「授業概要 近代の幕開け」
・ 近代建築の国際的な展開を日本、アメリカ、ヨーロッパの近代建築史をとおして比較論的観点から読み解く。
・ 「近代」というキーワードを基本とし、建築の社会性を時間軸をとおして考察する。
科目の概要説明
モダニティの幕開け、啓蒙主義、産業革命とヨーロッパ 1780-1850、


授業時間外における学修(予習・復習等) ・18世紀以降の世界史、日本史などについて予め調べておく。
・日本建築史など学部時代に習得した知識を再確認しておく。
事前に以下の文献を熟読し、疑問点をメモしておくこと。
模倣と創造の空間史:P.32 - 102 
図説 近代建築の系譜:P. 120-131
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第2回 内容
「近代の幕開け アメリカ合衆国」
開拓時代のアメリカと都市発展 :ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ
エレベーターの発明と高層建築 1845-1890、シカゴ派
授業時間外における学修(予習・復習等) 予め調べておく。
事前に以下の文献を熟読し、疑問点をメモしておくこと。
模倣と創造の空間史:P. 160-182
図説 近代建築の系譜:P. 212-217
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第3回 内容
「日本のおける近代の幕開け」
黒船到来、岩倉使節団、お雇い外国人建築士 コンドル、辰野金吾と日本建築学の幕開け 1850-1880、伊東忠太と日本建築史
授業時間外における学修(予習・復習等) 予め調べておく。
事前に以下の文献を熟読し、疑問点をメモしておくこと。
模倣と創造の空間史:P. 16-30
図説 近代建築の系譜:P. 10-33
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第4回 内容
「ヨーロッパ歴史主義からモダニズムへ」
パリ万国博覧会 、アールヌーボー、ウィーンのゼセッション、ガウディ、マッキントッシュ、世紀末の都市論、ヨーロッパにおける建築技術と近代化の潮流 1851-1890
授業時間外における学修(予習・復習等) 予め調べておく。
事前に以下の文献を熟読し、疑問点をメモしておくこと。
模倣と創造の空間史:P. 104-140
図説 近代建築の系譜:P. 132-157
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第5回 内容
「19世紀後半を代表する人のアメリカ人建築家たち」
リチャードソン、ファーネス、マッキム・ミード・ホワイト
サリヴァンとフランク・ロイド・ライト
授業時間外における学修(予習・復習等) 1893年のシカゴ万博について予め調べておく。
事前に以下の文献を熟読し、疑問点をメモしておくこと。
これまでに読んだ文献を復習し、疑問点をメモしておくこと。
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第6回 内容
「明治から大正へ: 近代化と帝国主義への道」
日本の明治建築と建築家:片山東熊、佐野利器、武田五一、横河民輔
工業化と日清・日露戦争 1880-1914
授業時間外における学修(予習・復習等) 明治時代後期、大正時代の日本について予め調べておく。
事前に以下の文献を熟読し、疑問点をメモしておくこと。
模倣と創造の空間史:P. 142-158
図説 近代建築の系譜:P. 34-73
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第7回 内容
「ヨーロッパの20世紀初頭:過去からの転換期…そして近代主義へ」
20世紀の幕開け 1890-1914、第一次世界大戦
ヨーロッパ建築・芸術運動:ドイツ工作連盟、バウハウス、ワルター・グロピウス、ミース・ファンデル・ローエ、ル・コルビジェ
授業時間外における学修(予習・復習等) 予め調べておく。
事前に以下の文献を熟読し、疑問点をメモしておくこと。
模倣と創造の空間史:P. 130-140、 160-182
図説 近代建築の系譜:P. 158-179
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第8回 内容
「世界のリーダーアメリカ合衆国:第一次世界大戦から大恐慌まで」

第一次世界大戦の後遺症、大恐慌と国家復興政策
フランク・ロイド・ライト

アール・デコ、MOMA、シカゴ・トリビューン・コンペ 1910-1922

授業時間外における学修(予習・復習等) 第一次世界大戦、大恐慌について予め調べておく。
これまでに読んだ文献を復習し、疑問点をメモしておくこと。
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第9回 内容
「日本における大正・昭和時代」
大正デモクラシー、国民と建築家、フランク・ロイド・ライトと帝国ホテル
東京帝室博物館建築設計懸賞 1930、分離派、パリ万国博覧会日本館、丹下健三、村野藤吾

授業時間外における学修(予習・復習等) 予め調べておく。
事前に以下の文献を熟読し、疑問点をメモしておくこと。
模倣と創造の空間史:P. 142- 158、 184-198
図説 近代建築の系譜:P. 74-93
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第10回 内容
「世界大戦の間のヨーロッパ」
ロシア構成主義、未来派
建築様式と独裁政治:ムッソリーニ、ヒットラー、日本帝国主義 1926-1945
ファシズム、ナチズム



授業時間外における学修(予習・復習等) ファシズム、ナチズムについて予め調べておく。
これまでに読んだ文献を復習し、疑問点をメモしておくこと。
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第11回 内容
「第2次世界大戦戦後アメリカの高度経済成長期」
アメリカの郊外とベビーブーマー:レヴィットタウン、ショッピングモールの原型
国連、宇宙競争、CIAMからTeam 10へ...そして崩壊、1964年ニューヨーク万博、
ルイスカーン、エーロ・サーリネン、バックミニスター・フラー、パオロソレリ
授業時間外における学修(予習・復習等) 第二次世界大戦後のベビーブーマー、レヴィットタウンなどアメリカのベッドタウンについて予め調べておく。
事前に以下の文献を熟読し、疑問点をメモしておくこと。
図説 近代建築の系譜:P. 218-237
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第12回 内容
第二次世界大戦へ
建築様式と独裁政治:ムッソリーニ、ヒットラー、日本帝国主義 1926-1945
授業時間外における学修(予習・復習等) ナチズム、ファシズム、日本帝国主義などを予め調べておく。
これまでに読んだ文献を復習し、疑問点をメモしておくこと。
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第13回 内容
「日本の復興と高度経済成長期」
建築基準法制定、都市復興計画、広島平和記念公園、メタボリズム、東京オリンピック、大阪万国博覧会
安保闘争と学生運動

授業時間外における学修(予習・復習等) 予め調べておく。
事前に以下の文献を熟読し、またこれまでに読んだ文献を復習し
疑問点をメモしておくこと。
模倣と創造の空間史:P. 184-244
これまでに読んだ文献を復習し、疑問点をメモしておくこと。
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第14回 内容
ポストモダニズムとデコンストラクティヴィズム

プルイット・アイゴー、ロバート・ヴェンチューリ「建築の多様性と対立性」」、チャールズ・ムーア、マイケル・グレーヴス、フランク・ゲーリー
授業時間外における学修(予習・復習等) ポストモダニズム、脱構築などの定義などについて予め調べておく。
これまでに読んだ文献を復習し、ポストモダニズムに関連する項目を確認しておくこと。
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義
第15回 内容
総論:ヨーロッパ、アメリカ、日本の現代建築と国際社会
21世紀の現代建築の潮流とモダニズムの関連性
これからの建築の可能性
授業時間外における学修(予習・復習等) 現代建築についてその潮流を予め調べておく。
これまでに読んだ文献を復習し、総論の観点から内容を確認しておくこと。
授業実施特記 パワーポイントを用いての講義