最終更新日:2017/01/29
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 水1
開講学部・学科等 大学院
科目コード 041001200 科目ナンバー
授業名 燃焼装置工学
英文授業名 Advanced Furnaces and Combustion Systems
担当教員 岸本 健

授業形態 講義
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
学部科目である工業熱力学、燃焼工学、流体力学
後続関連授業 反応性流体力学に関する講座。修士課程では最も高度な内容となる
教職課程科目
テーマ・キーワード 燃焼反応、燃焼器、燃焼装置、反応性流体力学

授業の概要・ねらい 燃焼工学の進んだ課題として、Birdなどの英書や論文を用いて、ロケット、ガスタービンだけではなく、多孔質中の反応流れ、炉における化学反応の存在する流れを学習し、反応,相変化を含む高度な熱エネルギー工学理論を修得する。
到達目標 化学工学過程の一つである燃焼装置について、燃焼学の基礎を踏まえて反応プロセスを説明できる。
乱流燃焼、層流燃焼を用いた燃焼装置について、温度や空力理論に言及できる。
燃焼振動の原理を記述でき、抑制対策を講じることができる。
教科書と準備するもの 教員から配布するテキスト.英文および和文が多い。
参考書 水谷.燃焼工学,森北出版
新岡,燃焼現象の解析,東北大学出版会
R.Bylon Bird etc, Transport Phenomena
評価の基準 文献中の式と理論のトレースを基礎とした演習の実施
具体的評価方法 授業内演習(20)+レポート(20)+調査の程度(20)+最終まとめレポート(40)
関連リンク VOC処理
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
解析学に通じる数学的記述も多いが、できるだけ一つの事象を掘り下げ、理解を促しながら講義し、演習でその実力向上を図る。
(大学院科目であるため学生による授業評価アンケートはない)
単位互換
特記 授業を公開します。

授業計画
第1回 内容
現象の見方と基本的物理法則
要素法の記述として、集中定数法、連続体の記述として、オイラー表現・ラグランジュ表現があることを述べ、その数学的違いについての理解を求める。
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」授業に先立ち、集中定数法と連続体記述の違いについて学習しておき、議論できるように資料を集め読む。
「復習」オイラー法とラグランジェ法の違いを流体の記述法の上で理解する。
授業実施特記 講義と問題演習
第2回 内容
熱伝導など熱移動と相似則
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」熱伝導について、非等方性熱伝導の実現方法を考え、実験装置の図を描いておく
「復習」次元と相似則について、平面相似形と立体相似の使い方について明確に判断できるようにしておく。
授業実施特記 課題について議論。事前準備必要
第3回 内容
層流熱伝達、対流熱伝達と経験則
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」熱現象で用いられる多くの無次元数でどのような数がどのように導出され用いられるかを調べておく。
「復習」乱流の記述方法として、時間平均法、空間平均法、スペクトル法がある。これらの方法について異方性や等方性、非定常性の記述の違いを理解しておく。
授業実施特記 講義と問題演習
第4回 内容
乱流と乱流燃焼、乱流中での化学反応。乱流とは何かについて講じる。
特に、乱れのエネルギーとその散逸過程を化学反応の存在下での乱流混合、乱流渦の成長と衰退について論じる
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」乱れのエネルギーとは何か、オイラー、テイラー、コルモゴロフなどの乱れスケールについて事前学習を行う。
「復習」せん断渦としてのカルマン渦やテーラ渦、散逸渦など渦のサイズとその意味を覚える
授業実施特記 講義と問題演習
第5回 内容
乱流燃焼理論
特性長、渦崩壊理論について論じ、発生機構と効果について講じる
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」特性長理論を学習し、例示された流れの特性長を計算する
「復習」燃焼室内流れの模式化とその乱流スケールの関係について理解する
授業実施特記 講義と問題演習
第6回 内容
集中定数法による単純燃焼炉のモデル化
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」一次連立微分方程式の解法を復習しておく
「復習」集中定数法による解法をマスターする
授業実施特記 課題について議論。事前準備必要
第7回 内容
集中定数法から定数分布法への移行の意義と理由
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」流体力学で学ぶナビアストークス流れの基礎、特にエネルギ方程式について準備しておく
「復習」演習課題を回答し、レポートとする
授業実施特記 課題について議論。事前準備必要
第8回 内容
エネルギ方程式の仕事項、摩擦項について論じる
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」エネルギー方程式の仕事項、摩擦項の導出
「復習」演習課題を回答し、レポートとする
授業実施特記 課題について議論。事前準備必要
第9回 内容
エネルギ方程式の化学反応項について論じる
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」バイナリー反応系の化学反応式
「復習」演習課題を回答し、レポートとする
授業実施特記 講義と問題演習
第10回 内容
反応系のRANS法における扱いとLESや直接計算法における取り扱いの違い
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」時間平均の方法
「復習」LESや直接計算法における物理量の評価方法
授業実施特記 非線形性の時間平均についての議論
第11回 内容
LESや直接計算法における反応系の取り扱い
非線形性の強い項の時間平均法についての問題点と解決法について
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」非線形性の時間平均についての議論のための準備
「復習」時間平均について問題点を抽出する方法を理解しておく
授業実施特記 講義と問題演習
第12回 内容
放射伝熱(1) 形態係数と放射率の関係
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」目で見える形状と実際のものの形の違いを光線の点から考えておく
「復習」形態係数の算出法
授業実施特記 課題について議論。事前準備必要
第13回 内容
放射伝熱(2) プランクの法則と黒体
固体間の放射、ガス吸収でのランバートの法則、化学発光
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」電気伝導率と放射率の意味。
「復習」半透明体の深さと吸収率の考え方を学び直すこと
授業実施特記 課題について議論。事前準備必要
第14回 内容
放射伝熱(3) 赤外放射と吸収
放射のまとめ
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」放射率の波長依存性
「復習」灰色体と選択放射体の違いを理解する
授業実施特記 課題について議論。事前準備必要
第15回 内容
燃焼装置内の熱エネルギーの収支についての総合議論と
具体的課題についてのレポート作成の説明
授業時間外における学修(予習・復習等) 「予習」熱伝達の各形態をまとめておく。議論の資料となる
「復習」課題の解答作成
授業実施特記