授業の概要・ねらい |
1853年7月のペリー来航から太平洋戦争を経て、サンフランシスコ講和条約までの日米関係外交を論じます。すなわち、ペリー来航から日露戦争までは「日米友好の時代」でありましたが、ポーツマス条約締結後、日本がアジアの大国として台頭すると、アメリカは日本に対し敵対的な態度となり、「日米対立・抗争の時代」となります。この対立は。太平洋戦争へと展開しましたが、戦後は「日米安全保障条約」すなわち「日米同盟」を結ぶことによって日本の平和と発展に寄与するのみならず、世界の平和と安定のために最も重要な同盟関係を構築しています。
開国から今日までの日米関係の歴史を正確に把握し、日米関係と日米両国外交の重要な事項について理解を深めることができることを目的とします。また、自ら考える力、政府と組織を理解する力、日米両国関係の現状を分析する力を育成します。 |
到達目標 |
1外交及び外交史における専門知識を習得する。
2外交史を研究する際に必要となる専門的スキルの向上を目指す。
3授業における議論とレポートによる報告を通じてコミュニケーション能力が向上する。
授業評価アンケート
フィードバック アンケートでの意見を踏まえ、各個人の発表と議論に多くの時間の配分を工夫します。 |
教科書と準備するもの |
池田十吾『第一次世界大戦期の日米関係史』(成文堂、2008年)
共著『日本外交のアイデンティティ』(南窓社,2004年)
共著『戦後アメリカ外交の軌跡』(勁草書房、1997年)
共著『戦後日米関係の軌跡』(勁草書房、1995年) |
参考書 |
共著『日本外交のアイデンティティ』(南窓社、2004年)。
Harold Nicolson, Diplomacy (Washington D.C.: Georgetown University,1998).
その他資料と関連文献入手すること。
参考書 ヘンリー A.キシンジャー『外交』上、下(日本経済新聞社、2003年)
その他必要に応じて指示致します。
|
評価の基準 |
1講義の内容を理解していること。
2外交を知るうえで必要な知見を理解することができること。
3各自の研究テーマに必要な知識と能力を得ることができていること。
以上の3点に着目し、発表とレポートを用いてその到達度による成績評価をする。 |
具体的評価方法 |
授業の出席回数とレポートによる理解力によって評価します。また、テーマを設定したクラス・ディクカッションによっても理解力をチェック致します。
レポート(60%)、ディスカッションによる説得力と理解力(40%)を評価します。 |
第1回 |
内容
|
ガイダンス 「150年にわたる日米関係の歴史的区分」について説明する。すなわち、1853年7月、ペリー提督の来航から今日までの日米関係を「友好」、「対立・抗争」そして「同盟」と3区分し、歴史の大きな流れを把握する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第2回 |
内容
|
ぺリー提督は、何を日本に開国要求したのか。日米修好条約によって何を約束したのか。T.ルーズベルト大統領の対日政策は、如何なるものであったのかについて説明する。「日米友好の時代(1853-1905年)」について述べる 。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第3回 |
内容
|
「日米対立の時代(1906-1945年)」 なぜ、日米は対立するようになったのか。1915年の「対華21カ条要求」に対し米国政府がどのような態度をとったのか、具体的な歴史的事例を、米国外交文書によって対日及び対極東政策を分析する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第4回 |
内容
|
中国をめぐる日米の利益の争奪を、具体的な歴史的事である1917年の「石井・ランシング協定」を日米交渉を例として取り上げ、米国外交文書と参考文献を基に分析する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第5回 |
内容
|
1918年の「シベリア出兵」に至る過程を、日米はどのように政策を立案及び意思決定したのだろうか。日米の意思決定のメカニズムの相違を比較しながら分析する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第6回 |
内容
|
「太平洋戦争への道」(その一)とし、①満州事変の発生と日米の対立、②日米協調への模索、③日中戦争と経済制裁の三つの視点から分析する。いわゆる「太平洋戦争の原因」について論じる。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第7回 |
内容
|
「太平洋戦争への道」(その二)とし、①満州事変の発生と日米の対立、②日米協調への模索、③日中戦争と経済制裁の三つの視点から分析する。いわゆる「太平洋戦争の原因」について論じる。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第8回 |
内容
|
「アメリカの新世界秩序と対日占領政策」について述べる。①米国の新世界秩序構想、②戦時中の首脳会談、③対日占領政策、4対日占領政策の具体的展開などを分析する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第9回 |
内容
|
「サンフランシスコ講和会議をめぐる日米交渉」について述べる。その内容は、①対日講和会議へのプロセス、②ダレス・吉田会談、③対日講和条約の内容の説明である。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第10回 |
内容
|
「アイゼンハワー政権のニュー・ルック政策と日本の再軍備」について述べる。その内容は、①アイゼンハワー政権(共和党)の成立、②ニュー・ルック政策と日本の再軍備、③国際緊張の相対的緩和についての分析である。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第11回 |
内容
|
「日米安全保障条約の改定」について述べる。旧・日米安全保障条約は1951年4月、対日講和のときに締結されたもので多くの問題点を持っていた。これらの点を改定すべく、岸信介政権は8項目の安保改定に実現し、新時代の日米関係を構築し「イクオール・パートナーシップ」とした。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第12回 |
内容
|
「日米再調整の時代(1960年代)」とし、①池田勇人政権と経済重視政、②ベトナム戦争と日本策、③沖縄返還をめぐる日米交渉、④日米貿易摩擦の始まり、⑤日米パートナーシップの形成などについて述べる。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第13回 |
内容
|
「東西関係の変化と日米関係(1969-84年)」について述べる。」その内容は、①69-75年のニクソン及びフォード政権のデタント(緊張緩和)の時代、②76-84年のカーター及びレーガン政権の第二次冷戦の時代に区分する。これらの日米貿易摩擦、中国の国連加盟と防衛問題について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第14回 |
内容
|
「ポスト覇権時代の日米関係(1985-93年)」について述べる。その内容は、①米ソの緊張緩和と冷戦の終了、②米国における修正主義の台頭、③米国のアジア戦略の変化と湾岸戦争などについて説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
|
第15回 |
内容
|
まとめとして、「ポスト冷戦時代における日米関係」とし、現代における日米関係の課題と展開を説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習は、シラバスを読んでおくこと。授業時間外は、研究テーマに関連した資料及び文献を読み、概要をレジュメにまとめ報告の準備をすること。 復習は、講義の資料を熟読し再度確認すること。 |
授業実施特記 |
講義終了時において、小論文の提出を求めます。 |